原作:ほったゆみ 漫画:小畑健
監修:梅澤由香里二段(日本棋院)
囲碁ブームの火付け役!
囲碁の世界的ブームの火付け役!
年配者の趣味という印象が強い囲碁ですが、この認識を覆したのが本作品です。
囲碁というユニークなジャンル。最初はルールを知らなくても読んでいるうちに囲碁の魅力に引き込まれます。
少年たちが切磋琢磨しながら成長する物語として『週刊少年ジャンプ』に掲載、小中学生の間で囲碁ブームを引き起こしました。
このブームは国外にも及び、数カ国語に翻訳刊行されています。
この機会にぜひ囲碁の世界に触れてみてください!
この作品のオススメ度!
(4.9)
【ストーリー】
テーマがユニーク! 設定も面白い! 画がいい! 夢中になれる! 話の展開も早い!囲碁を全く知らなかった少年が囲碁の世界で成長していくストーリー。
物語は、主人公の進藤ヒカルが、平安時代の囲碁の天才、藤原佐為の幽霊との出会いから始まります。
偶然、ヒカルは同じ年の天才棋士塔矢アキラと対局し、佐為の指示で負かしてしまいます。佐為の存在を知らないアキラは、ヒカルの実力を認めライバルとみなすようになりますが……。
ヒカルがどんどん強くなっていく過程はもちろん、彼に憑依した佐為の”望み”が成就できるのか。
一見、動きのない囲碁というテーマですが、白熱した展開は想像以上で読み出したら止まらなくなります!
【読者の評価】
平均4.6ポイント。
【受賞・売上】
電子書籍化している。
5巻以上続いている。
初版発行から10年以上経っても購入できる。
受賞歴がある。
・第45回小学館漫画賞(2000年)
・第7回手塚治虫文化賞新生賞受賞(2003年)
累計発行部数が公表されている。
・コミックスの累計発行部数は2500万部(2013年5月時点)
国内・世界で人気がある・評価が高い。
・韓国、中国、タイ、シンガポール、フランス、アメリカなどで翻訳・出版。
【ボリューム】
全23巻。
電子書籍で全巻揃えると10,000円以内(税込)。
【完結/連載】
完結。(1999年〜2003年連載)
参考
【オススメ度】以下5項目の平均値。
【ストーリー】一言コメント1点につき1pt(MAX5pt)
【読者の評価】電子書籍サイト読者評価の平均 (MAX5pt)
【受賞・売上】電子書籍化(1pt)+ 5巻以上(2pt)+ 初版から10年以上(2pt) + 受賞数(x2pt) + 累計発行部数が公表(2pt) + 国内外の高評価(各2pt) 以上の合計(MAX5pt)
【ボリューム】全巻合計が:〜1万円(5pt)/〜2万円(4pt)/ 〜3万円(3pt)/ 〜4万円(2pt)/ 4万円超(1pt)
【完結/連載】完結(5pt)/数ヶ月毎の定期発行(4pt)/年ごとの定期発行(3pt)/不定期発行(2pt)/未完(1pt)
漫画の漫談(まんだん)
知っていると、もっと深く・面白くマンガが読めるトピックのご紹介。
話の中で、初心者のヒカルが受ける説明で囲碁の基本ルールはわかります。
所々で専門用語の簡単な説明もありますが、わからなくても読み進められます。
ただ、囲碁の知識があれば、実際の戦局を描写したという盤面の状況や説明が理解できて、さらに深く楽しめるでしょう。
そこで、基本ルールと作中に出てくる囲碁に関する用語の一部をご紹介します。
囲碁の基本ルール
① 黒と白が交互に、碁盤上の縦と横の線の交点(地)に石を置いていく(打つ)。黒が先手。白が後手。
② 自分の石だけで囲った場所を自分の陣地にできる。
③ 最終的に、相手より大きい陣地になるように石を打っていく。
④ 陣地の大きさは陣地内の地(石がない交点)の数で決まる。地の数が多い方が勝ち。
⑤ 自分の石で囲んだ相手の石は、碁盤上から取り除くことができる。
囲碁の専門用語
● 目
地を数えるときの単位。(交点の数が10であれば、「10目」)
● 手
石を打つこと。1回打つことを「1手」という。
● アゲハマ
囲んで取った相手の石。
● 星
碁盤の9か所の交点(黒い点)。なお、中央の黒い点は「天元」という。
● 小目
碁盤の隅から数えて3番目と4番目の線の交点。星と並び、最もよく打たれる着点。
● カカリ
隅にある相手の石の近くに打ち、隅の地を囲わせないようにする手のこと。
● ケイマ
すでにある石から横に2つ、縦に1つ(または横に1つ、縦に2つ)離れた位置に打つこと。
将棋の桂馬やチェスのナイトの移動先と同じ位置。向きは問わない。
なお将棋の「桂馬」に対して、囲碁ではカタカナで表記する。
● 大ゲイマ
ケイマより石が1つ遠い場所(横に3つ、縦に1つ、または横に1つ、縦に3つ)に打つこと。
さらにもう1つ遠いものは「大々ゲイマ」。
これに対して通常のケイマを「小ゲイマ」と称することもある。
● コスミ
すでにある自分の石から斜め隣に打つ手のこと。
● サガリ
すでに打たれた自分の石から、盤端に近い方向につなげて打つこと。
● アタリ
相手の石を完全に囲んで取る一歩手前の状態のこと。
● 詰碁
囲碁の部分的な死活を問う問題のこと。将棋の詰将棋に相当する。
● コミ
囲碁は先手(黒)が有利なことから、最後の地の計算の際に与えられるハンデのこと。
※日本のルールでは、互先の場合、後手(白)が6目半もらえる。半目は、引き分けを避けるため。
● 指導碁
プロの棋士などによる指導付き対局。対局後に、その対局を振り返って指導が受けられる。
● ニギリ
互先のときに先手と後手を決める方法。一人が白石を好きなだけ握り、その状態のまま碁盤に手を置く。相手は白石の数を予想し、奇数だと思ったら黒石を1個、偶数は2個置く。予想が当たれば先手となる。
● 中押し
どちらかが途中で投了して勝負が決まること。「途中で押し切る」という意味。
● ツケ
相手の石のとなりに打つこと。
● 置碁
ハンデとして、予め碁盤に石を置いて対局すること。将棋の「駒落ち戦」に相当。
置き石の数によって、9子局、8子局、…2子局と呼ぶ。置き石は星に起く。
作中に登場する実在の人物(名前のみ登場)
本因坊秀策
江戸時代の囲碁棋士。文政12年5月5日(1829年6月6日)生まれ。
天保8年(1837年)12世本因坊丈和に入門。
天保10年(1839年)に初段。
その後、毎年昇段し、天保13年には四段に昇格。
弘化3年(1846年)、井上幻庵因碩と数度の対局を行う。
幻庵八段、秀策四段なので二子の手合のところ、一局打ちかけて幻庵は秀策の実力を認め、破格の定先に変更して対局した。その中の一局は「耳赤の一局」と呼ばれる著名局である。
嘉永元年(1848年)、6段に昇格、14世本因坊秀和の跡目となる。
御城碁では,13年間で19局全勝の記録をつくった。秀策最強説の根拠である。
文久2年(1862年)コレラのため急死。34歳。本因坊道策(前聖)、本因坊丈和(後聖)と並び、碁聖とよばれた。
備後(広島県)出身。姓は桑原。通称は虎次郎。
(参考:Wikipedia 「囲碁」「囲碁用語一覧」「本因坊秀策」)
最後に
ヒカルはだんだん強くなり、佐為の指示を受けずに実力で勝てるようになります。
幽霊の佐為は実態がないのでヒカルの体を通してしか碁を指すことができません。強い棋士との勝負では、ヒカルの実力を見たい一方で、自分も勝負したいとも感じています。
物語の終盤、ライバルの登場で佐為とヒカルはどうするのか?
佐為が打ったら白熱した試合になるだろうなと思いつつも、ヒカルの成長も見てみたい、しかも真剣勝負でフェアではないと考えたり……。
そんなもどかしさを感じつつも、最後まで楽しめた作品でした。
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第1巻
ある日小6のヒカルは蔵で古い碁盤を見つける。その瞬間、碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込んだ。佐為の囲碁に対する一途な想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界へと導いていく…。
最終巻
韓国戦で大将を任されたヒカルは、韓国の大将・高永夏と激突。アキラ、社も闘志を剥き出しにした打ち回しをみせる。緊迫の日韓戦の行方は!?若き猛勇の棋士達が、意地と才能をぶつけ合う怒濤の「北斗杯編」、ここに完結!!
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