考えて考えて考えて……とにかく考えて、
するとな、いずれ考えなくてもできるようになるから……
小林有吾
取材・原案協力:上野直彦(1〜17巻)
監修:飯塚健司(18巻〜)
オススメ度(4.5)
練習でも試合でもサッカーしてない時でもとにかく考えて、
考えて考えて考えて――考えて。
するとな、「いろんなことが、いずれ考えなくても できるようになる。
そうしたら、ようやく それが自分のものになる」って。
頑張れ。
人間は考える葦である。
(『アオアシ』第1巻より)
Jユースで活躍する高校生を描いたサッカーマンガです。
才能ある少年が先見の明のある指導者に導かれ、ライバルと競い合い、仲間との絆ができて、数々の壁を克服し成長していくーー。
スポーツマンガに限らず、少年マンガでは王道のパターンです。
本作品もまさにこのパターンですが、他とは一線を画すユニークな点は”考える”。
主人公・青井葦人はいくつもの壁にぶち当たりますが、その度にめげることなく考えて考えて考えて……。
考えた末に閃いた彼のプレイは鳥肌モノです!
ストーリー
青井葦人は公立中の弱小サッカー部のFWで、自身を天才と呼ぶ独りよがりのお調子者。
彼の活躍で県大会ベスト4進出まであと一歩と押せ押せのムードだったが、葦人は敵の挑発にのって暴力を振るってしまい退場になり、チームは敗退してしまう。
試合後、落ち込む彼にちょっと怪しげな男が声をかけてきた。
男は試合の最後の得点シーンについて問いただす。
すると、葦人はフィールドにいた全員の位置を地面に描き、状況的に自分の判断は正しかったと主張した。
想像を超える葦人の俯瞰能力に驚き喜びに震える男。
そして彼は「東京シティ・エスペリオンFC」ユース監督の福田達也と名乗り、エスペリオンの入団試験を受けろと葦人に手を差し伸べるのだった。
この作品のオススメ度!
(4.5)
【気ままに感想】
★ 数あるサッカーマンガでもユースを舞台にしたユニークな作品
★ 丁寧に描かれた画が読みやすく素晴らしい。
★ 悔しさや嬉しさ、驚きなどの人の表情がイイ。特に、葦人の想像を超えたプレイに驚く福田監督の顔にゾクゾクする。
★ スムーズに読めるコマ割り。電子書籍を想定して見開きのコマも戻ることなく左から右へ読み進められる。
★ ”考えろ”。作品の根底に流れるテーマで、さまざまなシーンで登場する。”逆境の中でも考えろ”はビジネス書としても通じそう。
★ 『アオアシ』。青はサッカー日本代表の色であり、「青=未熟」から”未熟な思考”にも連想できる。そして、”サッカーの足”と”考える葦”。(小林有吾氏のオフィシャルブログより)まさに全てを表している見事なタイトル。
★ 特徴のあるキャラが多く登場する。覚えやすいし面白い。
★ ”悪役キャラ”がそのまま嫌な奴で終わらないところがイイ。
★ 実際に行われている基礎練習や実在の戦略が未経験者にも解りやすく描かれていて、サッカーの魅力を実感できる。
★ 家族や友人の思いやりとそれに感謝して応えようとする葦人の姿勢が感動的!
【読者の評価】
★ 平均4.7ポイント!
【受賞・実績】
★ 電子書籍化している。
★ 5巻以上継続している。
★ 受賞歴あり。
・「第65回小学館漫画賞 一般部門」受賞(2020年)
・「マンガ大賞」4位。(2017年)
★ 累積発行部数が公表されている。
・1,700万部突破。(2023年2月時点)
【ボリューム】
★ 現在31巻
・電子書籍で全巻揃えて21,000円超(税込)。
【完結/連載】
★ 連載中(2015年〜)
参考
【オススメ度】以下の項目の平均値。
【気ままに感想】コメント1点につき1pt(MAX10pt、2項目換算)
【読者の評価】電子書籍サイト読者評価の平均 (MAX5pt)
【受賞・売上】電子書籍化(1pt)+ 5巻以上(2pt)+ 初版から10年以上(2pt) + 受賞数(x2pt) + 累計発行部数が公表(2pt) + 国内外の高評価(各2pt) 以上の合計(MAX5pt)
【ボリューム】全巻合計が:〜1万円(5pt)/〜2万円(4pt)/ 〜3万円(3pt)/ 〜4万円(2pt)/4万円超(1pt)
【完結/連載】完結(5pt)/数ヶ月毎の定期発行(4pt)/年ごとの定期発行(3pt)/不定期発行(2pt)/未完(1pt)
最後に
サッカーは誰よりもうまいと自負する高校生たちが、実はまだ精神的にも技術的にも未熟だと思い知らされ、考えて考えて考え抜いて上を目指す話。
彼らは互いにライバルであると同時に、同じチームの仲間として互いにリスペクトし、理解するまで意見をぶつけあい、欠点を指摘して教えあい、時には自分から頭を下げて教えを乞う。それが自分自身の上達に繋がりチームが強くなる結果にーー。
年齢を重ねるにつれ、貧弱なプライドが邪魔をして、欠点は素直に認めない、教えは乞いたくないと自ら上昇する機会を潰しているなと本作を読むと実感します……。
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第1巻
愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに――― そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!? 将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!
最新巻
次なる目標は、打倒バルセロナユース! 濃密すぎる3日間のトップチーム練習参加が終わった。念願だった「年明けからのトップチーム昇格」は叶わなかったものの、「国際大会でバルセロナユースに勝てればユースメンバーを広くトップに呼んで試す」ことをガルージャ監督から告げられる。「育成」において、輝かしい実績を持つクラブ・バルセロナ。一体、どんなクラブなんだろう――― スペインってどんな国なんだろう――― 心が海外に向かうアシトだったが、そんな中、衝撃のニュースが飛び込んできて!? アシトの人生観が大きく揺れ動く31集!!
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