ヴァイキング漫画の傑作!
青年が苛烈な戦いの先に求める理想とは!?
今までありそうでなかった、11世紀の北欧を舞台にした本格的な長編大河ドラマ。
過酷な自然で生活する人たちやヴァイキングの熾烈な戦いなど、見事な画力で描かれた秀作です。
復讐、戦争、略奪、殺戮、陰謀、そして苦悩…………物語の前半は、壮絶な話に圧倒されます。
そして、急転直下。新たな展開を見せる後半。
目が離せない作品です。
この作品のオススメ度!
(4.5)
【ストーリー】
設定がユニーク! 迫力の画! 泣ける! 興奮する! 予想外の展開!11世紀に活躍したヴァイキングのお話。
物語の前半は、一般に”ヴァイキング”に対して抱くイメージ通り、暴力、略奪、殺戮、戦争のオンパレード。
素晴らしい画力で描かれた過激なシーンがこれでもかというほど続き、その迫力に圧倒されます。
主人公トルフィンは、父を殺した男、アシュラッドと共に行動し復讐の機会を狙っています。
過酷な戦いの日々を生き抜き、やがて強く冷酷な傭兵に成長しますが、トルフィンは多くの人を殺したため復讐の対象として命を狙われたり、自分が殺した人たちの悪夢にうなされます。
ある時、復讐のためだけに生きていた彼の状況が一転します。
彼を待ち受ける、また別の過酷な運命。
そこから見出した、彼が求めた理想…。
物語の後半は、実在したアイスランド人の軌跡をベースにした物語が展開していきます。
彼の理想がどのように帰着するか。前半とはまた別の面白さにますます期待します。
【読者の評価】
平均4.3ポイント。
【受賞・実績】
電子書籍化している。
5巻以上続いている。
初版発行から10年以上経っても購入できる。
受賞歴がある。
・「第36回講談社漫画賞一般部門」受賞(2012年)
・「第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞」受賞(2009年)
累計発行部数が公表されている。
・累計発行部数550万部突破(2019年時点)
【ボリューム】
現在26巻。
電子書籍で全巻揃えると20,000円以内(税込)。
【完結/連載】
連載中。(2005年〜)
参考
【オススメ度】以下5項目の平均値。
【ストーリー】一言コメント1点につき1pt(MAX5pt)
【読者の評価】電子書籍サイト読者評価の平均 (MAX5pt)
【受賞・売上】電子書籍化(1pt)+ 5巻以上(2pt)+ 初版から10年以上(2pt) + 受賞数(x2pt) + 累計発行部数が公表(2pt) + 国内外の高評価(各2pt) 以上の合計(MAX5pt)
【ボリューム】全巻合計が:〜1万円(5pt)/〜2万円(4pt)/ 〜3万円(3pt)/ 〜4万円(2pt)/ 4万円超(1pt)
【完結/連載】完結(5pt)/数ヶ月毎の定期発行(4pt)/年ごとの定期発行(3pt)/不定期発行(2pt)/未完(1pt)
漫画の漫談(まんだん)
知っていると、もっと深く・面白くマンガが読めるトピックのご紹介。
ヴィンランド
『ヴィンランド』(Vinland)とは、北米大陸にあったとされるヴァイキングの入植地。
新天地を求めてアイスランドを出航したレイフ・エリクソンが、西暦1000年頃に北米大陸に上陸し、その地をヴィンランドと名付けたとされる。
名前の由来は「ブドウ(vín)の地」とされていたが、近年は「草原(vin)の地」という説もある。
上陸した正確な場所は、諸説あるが、現在のカナダ・ニューファンドランド島(下図の右の島)が有力。
『ヴィンランド・サガ』の作中で拠点とした「アルネイズ村」は、現在のプリンス・エドワード島(下図の下方)の北部沿岸としている。
1010年ごろにはソルフィン・カルルセヴニ・ソルザルソンによる大規模な移住が行われ、ヴァイキングの入植地が建設された。
しかし、本国から遠かったことや、アメリカ先住民(スクレリング)との抗争などの理由で、10年ほどで放棄されたという。
ソルフィン・ソルザルソン
11世紀に実在したと言われるアイスランド商人・探検者ソルフィン・カルルセヴニ・ソルザルソンが、本作品の主人公トルフィンのモデル。
アメリカ大陸に入植したヴァイキングに関する2大文献史料、『グリーンランド人のサガ』『赤毛のエイリークのサガ』にソルフィンの名前がでてくる。
なお、この2編を英語圏では『ヴィンランド・サガ』という。
これらのサガによると、ヴィンランドへの遠征は、赤毛のエイリークの子であるレイフ・エリクソンを端緒とし、弟のソルヴァルド
その後にソルステインが遠征を試みて途中で死亡。
彼の未亡人、グズリーズと結婚したソルフィンが、レイフとソルヴァルドに次ぐ3回目の成功を果たす。
『グリーンランド人のサガ』によると、新天地ヴィンランドへの移民は、妻のグズリーズの強い主張によるとされている。
ヴィンランドに移住後、ソルフィンとグズリーズは長子スノッリ。
スノッリは新世界(アメリカ大陸)で生まれた初のヨーロッパ系人とされる。
ヨムスヴァイキング
ヨームのヴァイキングとも言われる。
『ヴィンランド・サガ』作中では、トルフィンの父、トールスが所属していた北海最強の戦闘集団 ヨーム戦士団の名で登場。
10〜11世紀に活躍したとされる、おそらくは伝説上のヴァイキングの傭兵団または盗賊団。
彼らはオーディンやトールといった神々への崇拝に一生を捧げていた。
(参考:Wikipedia「ヴィンランド」「ソルフィン・ソルザルソン」「ヨムスヴァイキング」)
最後に
激しい戦いの中で主人公が成長していく漫画かと思いきや、後半、予想外の方向へ急展開します。
迫力の前半と、壮大な後半。
2種類の感動が味わえる名作です。
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第1巻
千年期の終わり頃、あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした最強の民族、ヴァイキング。そのなかにあってなお、最強と謳われた伝説の戦士が息子をひとり授かった。トルフィンと名づけられた彼は、幼くして戦場を生き場所とし、血煙の彼方に幻の大陸“ヴィンランド”を目指す!!『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(ヴァイキング)叙事詩、堂々登場!
最新巻
ヴァイキング達が跋扈する11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を目指す物語。父親の仇を討つために過ごした幼少期、奴隷として農場で過ごした青年期を経てトルフィンはヴィンランドへの渡航を本格的に模索するようになる。北海最強の武力集団・ヨーム戦士団の居城・ヨムスボルグを中心にバルト海が戦火に包まれたヨーム継承戦争にまきこまれたトルフィンだが、辛くも戦争を生き抜いた。東ローマ帝国への交易で莫大な資金を調達したトルフィン達一行はアイスランドに帰郷。故郷のアイスランドで結婚式を挙げたトルフィンとグズリーズはヴィンランド移住計画の賛同者を募る。そしてついに約束の地・ヴィンランドへと出港した! まずは、レイフの故郷・グリーンランドでさらなる移住希望者を募り、補給を完了。ヨーロッパの最西端から世界の果てを目指して海を越えた! かつてレイフが住んだ小屋を見つけたトルフィンは、そこで石の矢じりのついた矢を見つける。そこはトルフィンの目指した「まだ誰のものでもない土地」ではなかった。さらなる南下を果たし理想の条件の土地に「アルネイズの村」と名をつけて開拓を進めたトルフィン達。一冬越せば収穫が見込める。だが、そこにも「現地の人々」がやってきた。いよいよ、トルフィンの人生そのものが問われ、試される時が来た!
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